BRAND STORY
ブランドストーリー
1993年、群馬県前橋市にハートマーケット一号店がオープンしました。
敷地はわずか8坪。小さなお店でした。たくさんの商品を並べることも、立派な設備を整えることもできなかったけれど、そこには確かな「想い」がありました。
それは、ただ服を売るのではなく、「人と心が通い合う場所をつくりたい」というまっすぐな願いでした。
当時は、「心」や「愛」といった言葉をビジネスで語ることが、少し照れくさく、時には笑われてしまう時代でした。それでも私たちは、「売上は、お客様の心のあらわれであり、笑顔のバロメーターである」と信じ、目の前のお客様一人ひとりと丁寧に向き合うことを何よりも大切にしてきました。お気に入りの一着に出会ったときの、笑みがこぼれる瞬間。誰かに大切にされたと感じたときの、あたたかくなる気持ち。
そうした小さな「うれしさ」が生まれ、一つひとつ積み重なっていく場所こそが、私たちの目指した「心の市場」でした。
一着の服を通して、誰かの一日がちょっと明るくなる。
そんな心が動く瞬間をお届けし続けること。それが、ハートマーケットのすべての始まりであり、これからも変わることのない原点です。
創業当初、ハートマーケットはセレクトショップとして、有名ブランドの商品を扱っていました。しかし、私たちはやがて一つの大きな決断をします。「ブランドの看板に頼るのではなく、ハートマーケットとして勝負したい」。その想いから、独自のマーチャンダイジングによるオリジナル商品を中心としたものづくりへと舵を切りました。
私たちのものづくりは、「お客様はどんなランチを食べ、どんな週末を過ごしているのだろう」と、具体的に暮らしを想像することから始まります。そして、その日常に寄り添う「安くて良いもの」を肌触りや着心地、素材や縫製加工にこだわってカタチにし、長く愛される「特別な一着」としてお届けすることを目指しています。
そして今、私たちは「ハートを、まとえ」という考え方を掲げ、洋服の持つ意味を改めて見つめ直しています。洋服は、ただ身にまとう布ではありません。袖を通した瞬間に、気持ちが少し前向きになったり、新しい場所へ出かけたくなったり。そんな心の変化を生む「感情価値」を持つ存在だと思うのです。日常着としての心地よさや機能性はもちろん、着る人の心に小さな「勇気」を灯す服をつくる。それが、ハートマーケットのものづくりです。
「すべてはお客様の笑顔のために」。この言葉は、ハートマーケットの接客における、何よりも大切な指針です。創業者が、商品を売ることだけを目的とした接客に違和感を覚えた原体験から、「売る」よりも、「喜んでいただく」ことを最優先にする、独自の接客スタイルが生まれました。私たちの店舗には、マニュアル通りの画一的な接客はありません。お客様一人ひとりの気分や表情に目を向け、無理に売り込まず、その人にとって心地よい距離感を大切にしています。
かつて、業績が伸び悩んでいた店舗がありました。そのとき、当時の経営層が伝えたのは「売上をつくらなくていい。ただ、お客様を笑顔で帰してほしい」という言葉でした。スタッフがお客様とふれあう時間を楽しむようになると、店舗の空気が変わり、気がつけば売上はV字回復を遂げたのです。お客様の笑顔のために本気で行動することが、自然と結果につながる。私たちはその経験から、改めて確信しました。
一人ひとりの「人の良さ」や「優しさ」が素直に発揮されたとき、心は動き、笑顔は連鎖していきます。「ありがとう」が自然に交わされる、あたたかな関係性を育むこと。その積み重ねこそが、ハートマーケットの接客です。
創業から30年以上を経て、ハートマーケットは次のステージを見据えています。これまで大切にしてきた想いや姿勢をしっかりと守りながらも、時代とともにしなやかに変化し、これからの10年、20年を見据えたブランドへ。私たちが目指すのは、ただ服を販売する存在ではありません。人と人、心と心がつながり、やさしさが循環していく「心の市場(プラットフォーム)」を社会全体に広げ、日々の暮らしにあたたかく豊かな価値を届けていくこと。その理想を実現するための旗印が、「ハートを、まとえ」という言葉です。
やさしさ、誠実さ、そして少しの勇気。一人ひとりがその“心の姿勢”を選び取り、行動に移していくこと。そうすることで、小さな気づきや思いやりは、やがて大きな連鎖となっていく。その中心にあるのは、いつの時代も人の心です。
ハートマーケットがこれからも、心で選ばれる存在であり続けるために。私たちは、働く仲間、お客様、地域、社会と丁寧に向き合いながら、人と人をつなぎ、やさしさの輪を、日常から社会へ、さらに未来へと広げていきます。
これからも、一着の服から始まる、やさしい変化を信じて。